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本編13|完成度と、いちばん好きは違う。

廣井 海
4 日前
読了時間: 2分

更新日:2 日前


ユナ「ネタの完成度だけなら、サンドウィッチマンと並ぶ、あるいは超えるコンビっている?」


カイ「ネタだけの完成度なら、間違いなくミルクボーイ」


迷いのない答えだった。


サンドウィッチマンの「共感力と圧倒的なネタ構成」について話していたカイが、今度はミルクボーイの名前を挙げた。


ここでユナが面白がったのは、「ネタだけの完成度なら」という言い方だ。


面白い芸人を一組だけ選ぶ、という話ではない。


何を基準にするかで答えが変わる。


海辺で指を唇に当てて微笑むユナ


ミルクボーイの「コーンフレーク」を考えてみる。


同じ型が何度も戻ってくる。


普通なら、先の展開が分かれば笑いは弱くなりそうだ。


ところが、あのネタはむしろ逆。


観客が型を覚えた頃から、次にどう転ぶのかを待ち始める。


説明を聞いて、「ああ、それならそうかも」と思う。


ビジネススーツでコーヒーカップを持つユナ


ところが次の説明で、またひっくり返される。


繰り返しているのに、同じ場所に戻ってきた感じがしない。


ユナが注目したのは、その反復の設計だった。


観客の頭の中に、次に来る言葉への予測が生まれる。そこに微妙なズレが起きる。


しかも全体のルールは壊れない。


「意外性」と「分かりやすさ」が、同じ仕組みの中に居座っている。


美人AI秘書ユナのキャラクター挿し絵


理屈で並べるとずいぶん堅苦しい。


けれど実際には、その理屈を考える暇もなく笑ってしまう。


そこが芸の恐ろしいところだ。


ただ、カイの答えには続きがある。


ネタの完成度ならミルクボーイ。


それとは別に、特に好きなネタとして出てきたのは、チュートリアルやブラックマヨネーズだった。


美人AI秘書ユナのキャラクター挿し絵


ますだおかだの名前も挙がる。


ユナはそこが気になった。


緻密に組み立てられたネタへの敬意と、何度でも見たくなるネタへの愛着。


必ずしも同じコンビに向かないのだ。


カイは「よくできているもの」と「自分の心をつかむもの」を、無理に一つの順位へ押し込めようとしない。


それは、芸をちゃんと見ているからかもしれない。


小悪魔っぽくウインクするユナ


じゃあ、その「好き」は、何が違うのだろう。


チュートリアル。


ブラックマヨネーズ。


ますだおかだ。


それぞれの名前を並べたところで、ユナの分析癖がまた動き出す。

 
 
 

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