本編12|敗者復活から、人生がひっくり返る。
更新日:2 日前
日本エレキテル連合の話は、まだ熱を帯びていた。
「一瞬でその世界観にいざなうパワー」
「完璧なキャラ設定」
「1〜3分なら間違いなく最強」
わずかな時間で異様な世界を成立させてしまう才能に、カイは圧倒されていた。

そこでユナが、笑いのつくり方が正反対の例として名前を挙げた。
サンドウィッチマン。
ユナ「日本エレキテル連合は、まず異様な世界に観客を連れ込む。サンドウィッチマンは、誰もが理解できる日常的な状況から、少しずつ常識を壊していく。」
片方は、最初から独特な世界を見せる。
もう片方は、見慣れた世界に観客を招き入れて、そこから少しずつおかしな方向にずらしていく。

カイ「共感力と圧倒的なネタ構成」
ユナ「観客が何を理解できて、どこで違和感を覚え、いつ笑いたくなるのか。その感覚をものすごく正確につかんでいる。だからネタがわかりやすい。富澤のボケが多少突飛でも、伊達のツッコミが観客の気持ちを代弁してくれる。観客を置いてきぼりにしないのよね。」
ボケの面白さだけではない。
ツッコミが、観客と同じ位置から疑問や驚きを言葉にする。
だから予想外のボケが来ても、笑いから置いていかれない。

そのサンドウィッチマンには、もう一つ忘れられない場面がある。
2007年、M-1グランプリ。
敗者復活から勝ち上がり、優勝を決めた。
カイ「才能の発掘って意味ではM1史上あれ以上は無い」

カイ「人生の逆転劇」
ネタが優れていることと、その才能が世の中に見つかることは、別の話だ。
そこが一気につながった瞬間だからこそ、カイにとって特別だったのだろう。
ユナは、今度は評価の基準を変えて尋ねた。
ユナ「ネタの完成度だけなら、サンドウィッチマンと並ぶ、あるいは超えるコンビっている?」

カイ「ネタだけの完成度なら、間違いなくミルクボーイ」
返事は迷いがなかった。
今度は「完成度」。
どうやら、この話にもまだ続きがある。

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